院長  久保 昌志

 

   私が透析診療に携わってすでに20年が経過しました。その間にも日本の透析医療は、特にテクノロジーの面で著しい進化を遂げ、日本で治療を受けられている透析患者さんは世界で最も寿命が長いと言われるようになりました。さらに、糖尿病性腎症の増加などが原因となって、透析患者数は加速度的に増加しており、2010年には日本国内の維持透析患者数は35万人を超えるのではないかと予想されております。しかし、現在の透析治療とはいえ完成されたものではありません。高リン血症、副甲状腺ホルモンの異常、動脈硬化症、アミロイド症など、多くの未だ解決されない合併症が存在し、多数の患者さんはその不安に悩まされているのが実情です。また、最近では、総国民医療費の高騰に対する政策の一環として、透析患者さん一人当たりの透析医療費の包括化およびその段階的強化などの医療経済的な問題も重い負担となってきました。透析医療の技術自体は進歩しているにもかかわらず、その恩恵を受けるはずの患者の皆さんが近年にない厳しい状況に置かれているということは事実です。 

 
  その様な多くの問題に直面しながら、私が医師として診療を通じて近年非常に強く実感するようになったことは、医療者は医療技術者である前に、まず一人の人間として謙虚であり、誠実でなければいけないということです。「患者様本位の診療」、「患者様に誠実に対応します」など建前を言ったり、外見を装うことは簡単なことです。しかし、それを実行する医療者が自己中心的な人間であったり、思いやりに欠ける人間であっては真の意味での「よい医療」を実践することは難しいのではないでしょうか。気に入らないことがあると感情にまかせて怒鳴り散らす人、平気でうそをつく人、相手の地位や立場等により自分の態度を変える人、いつも他人の批判や悪口ばかりを言っている人、仲間や友人を大切にしない人、たとえば普段そのような行動をとっている人が診療の現場に立ったときに患者の皆さんが本当に望んでいる医療を行うことができるでしょうか。確かに世の中には完璧な人間はいません。誰でも欠点はあります。当然ですが、私にも欠点はあると思います。しかし、私をはじめとする当クリニックのスタッフは少なくとも仲間や友人を大切にし、患者さんをはじめとするすべての方に正直に、誠実に対応し、これからも対応していくように努力していきます。


  日常診療に関しては、安全で質の高い最先端の透析治療を提供していくことが大前提ですが、私たちは、患者の皆さんの治療に対する意思を第一に尊重し、患者さんに治療方針を選択して頂こうと考えております。当然、治療に関するアドバイスは申し上げますが、それを受け入れるかどうかを判断するのは患者さん本人です。患者の皆さんも是非、治療やご自分の病気について勉強し、また、わからないことがあれば、私たちに聞いてください。患者さんの疑問や要求に誠実に対応することが私たちの仕事です。患者の皆さんは、ご自分の人生をご自分で考え、ご自分で切り開いてください。私たちは、患者の皆さんと一緒に、お互いに成長していくことを目指して、人生の仲間として患者さんの意思やお気持ちを尊重した診療を行ってまいります。

 
  私たちは、患者の皆さんがここで治療を受けて心からよかったと思えるようなクリニックを目指して努力してまいります。

 

 

 

院長プロフィール 

久保 昌志

医師・医学博士           

日本透析医学会専門医・指導医  日本泌尿器科学会専門医・指導医

平成1年山梨大学医学部卒業
山梨大学附属病院・みつわ台総合病院・千葉西総合病院・亀田総合病院・諏訪中央病院・八千代腎クリニック等勤務
  
平成20年5月つくば腎クリニック開院